坂田氏:
数値目標が示されているという点についてはどの企業にも共通していますが、事業計画は企業によってとらえ方が少しずつ違うこともあり、定義が曖昧になってしまっています。こうした事業計画が経営者の中長期的な指針として十分に機能しているかは甚だ疑問です。
多くの日本企業の事業計画には、主に次の2つ課題があると思います。
1. 「売上アップ」や「コスト削減」などの大まかな数値目標だけ定め、その後ろ盾となる戦略が練られていない。
「なぜその目標なのか」「どのようにその目標を実現するのか」といった根拠やプロセスまで細かくブレークダウンされていないケースが多く見受けられます。このような計画では、一時的に達成できたとしても、中長期的には違う課題に直面し、うまく立ち行かなくなくなることがあります。
2. 現場を巻き込んで計画を作成していないので、内容(目標)が実情と乖離している。
事業計画は経営企画室などの専門の部署が取りまとめるのが一般的となっており、作成過程において、現場の意見を取り入れる機会が十分に設けられていないことが多々あります。あったとしても、決まったフォームで数字のみを回収するなど機械的な作業のみで、結果として現場レベルとの乖離を生んでしまう。
事業計画が重要だと理解はしているものの、実情では「計画を立てる」ことがゴールになっている企業も多く、単なる数値上の目標となっているケースも。もったいない傾向だと思います。
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